最近、「人生100年時代」という言葉をよく耳にします。アクティブにスポーツや文化を楽しむ高齢者が増えているように、充実した人生を過ごすために最も重要なことは、心身ともに健康であることにほかなりません。健康で快適な生活を送るにはバランスの取れた食事をとることが必要ですが、そのためには丈夫な歯、いわゆる「健康なお口」が欠かせません。80歳になった時に20本の歯を残そうという「8020運動」が始まってからずいぶん経ちましたが、世界の先進国の中でも類を見ない高齢化社会に入っている我が国で、どれだけの人がこれを実現できているのでしょうか。
確かに、健康への意識が高まるなか、予防治療の重要性が次第に認知されてきました。
しかし、歯科医院は「歯が痛くなってから行くもの」とお考えの方もまだまだいらっしゃいます。痛くなってから歯科に行き、治療する。また痛くなったら歯科に行って治療する。この繰り返しでは、いずれ歯が無くなってしまう可能性が高くなります。
なぜなら、手を加えた歯は天然の歯に比べると弱くなってしまうからです。また、削った歯、失った歯は、どれだけ最先端の技術や良質な材料を用いても、決して元通りにはなりません。大切なのは歯がなくなる原因、むし歯と歯周病をどう防ぐのかということです。
むし歯は、ごく初期段階のものしか削らずに治療することはできません。また、痛みを感じることなく進行してしまう歯周病においては、「おかしいな」と思い受診した頃には抜歯以外の選択肢がない、こういった状況が少なくないのです。
ご自身の歯でしっかり噛んで美味しい食事を楽しむことは、まさに人生の醍醐味です。これを実現するには、患者さまご自身のセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアの両方が必要不可欠です。
そのためには患者さまのご不安や恐怖心を取り除き、また、安全で正確な治療と予防を積み重ねることで「通い続けたい」「この人たちなら任せてもいいな」と感じていただける歯科医院でなければなりません。
当院は常に患者さまのお気持ちに寄り添いつつ、プロフェッショナルとしての矜持をもって、皆さまのお口と健康を守るお手伝いをさせていただければと考えております。
人との出会いは人生において重要な意味を持ちます。私自身、「君は手先が器用だから」と歯科医になることを勧めてくれた高校時代の恩師の存在がありました。自分のための歯科治療に出会うことは偶然かもしれません。しかし、それを必然とすること。皆様にとってそういう存在になることが、おざさ歯科医院の目指す姿です。